南島原市口之津町の早崎地区共同墓地にて、観音開きのお墓へリフォーム。石貼りでお掃除もしやすく、すっきりとしたお墓へ

南島原市、小浜町を中心にお墓を専門にお仕事をさせていただいております、門畑(かどはた)石塔店の門畑です。南島原市口之津町の早崎地区共同墓地にて、観音開きのお墓へリフォームをさせていただきましたので、その様子をご紹介いたします!

 

南島原市口之津町 早崎地区共同墓地  観音開きリフォーム

 

2年ほど前に、お墓の金箔文字の貼り直しをさせていただいたお客様からご相談をいただきました。お墓のリフォームをお考えでした。

 

こちらがお客様のお墓です。週に何度もお参りされている、とてもきれいに大切にされているお墓です。入り口から入って左手の植え込みは花壇のように使われていましたが、今後のことを考えるとこの部分もリフォームして全体的に草が生えないようにしたいとご希望でした。また、2年前に金箔を貼り直したとてもきれいなお墓も、将来を考えて、納骨のしやすい観音開きのお墓にしたいということでした。

 

全体はこのような墓地です。広いお墓全体がブロックで囲われています。今後のことを考えてのリフォームということで、お掃除やお手入れがしやすいよう、シンプルな形へのリフォームをご提案しました。下のコンクリートの土台部分はそのまま使用して手前のブロック部分は取り外し、広々と感じられるようなお墓にします。

それでは、工事スタートです!

 

まずは遺骨を取り出して、お墓をすべて取り外します。石塔は磨き直して使用するため、取り外して工場へ持ち帰りました。砕石などを取り除き、これまで納骨されていた大きな納骨室も、すべて取り壊します。

 

こちらが大きな納骨室です。この真上に石塔が建っていました。奥の四角い部分は法名塔があったところで、納骨の際はその法名塔の蓋石を持ち上げて、中に入って納骨するというお墓でした。確かに、納骨のたびに大変ですね^^; これもすべて取り外して、新しく基礎からやり直します。

 

土台のコンクリート部分は今後も利用することになりましたが、数か所ひびが見られましたので、このように鉄筋を入れて補強をしました。

 

内部の取り外しと土台の補強が終わったら、基礎コンクリートを打ちます。鉄筋を組んで、コンクリートを流し込む準備をしています。

 

コンクリートを流し込んで、表面をならします。しっかりと固まるまでしばらく養生したら基礎が完成です。奥と左手のブロックは取り壊さず、コンクリートを上塗りして再利用します。

 

こちらは、お墓の奥の残っているブロックです。笠を外して上からコンクリートを上塗りする予定だったのですが、中が空洞だったので強度を保つためにモルタルを詰めました。

 

中には鉄筋も入れて、しっかりとコンクリートを充填しました。この状態で上塗りをしていきます。

 

補強したブロックに、木枠を組んでコンクリートを塗って仕上げます。ブロックの表面がガサガサしていて、通路を通られる方がひっかけたりすると危ないので、表面をきれいにすることをお客様がご希望でした。

 

きれいに塗り上がりました! お墓の基礎も完成しています。次は、いよいよお墓の据え付けに入ります。

 

納骨室内部です。観音扉の内側は、上から見るとこのような作りになっています。10名以上の仏様が入れる、広々した納骨室です。

 

納骨室をくみ上げて、この上に石塔を載せます。少し変形した墓地なので、お掃除などもしやすいよう、外は囲いの石だけにして、中に長方形の土間を作るような形にし、2重の枠石を設けています。内側は石貼りで仕上げます。外側の枠石に対して内側の枠石とお墓が傾いているのは、お客様のご希望で、お墓が海のある方向、南に向いているためです。

 

石塔を据え終わりました。内部に水が入らないよう、目地をコーキングしています。お墓は磨き直して、お客様のご希望で金箔も貼り直しました。

 

完成しました! 海に向いて、まっすぐに建つお墓です。

外側の枠石内は、水が溜まらないように水勾配をつけた左官仕上げで、内側はすべて石貼りです。見た目もきれいですし、草が生えることもなく、サッとほうきで掃いたりしてお掃除できますのでお手入れも楽です。手前にはベンチも設置しました。

 

お墓は金箔を入れ直して磨き直し、観音開きの納骨室はインド産のアーバングレイで新しく作成しました。地域柄、納骨室の扉に彫刻をされているお墓も多いですが、シンプルにしたいというご希望でしたので、そのままのシンプルな仕上げとしました。丸いものは空気口です。

石塔の間には、蝋燭立てを置きました。お客様のご希望で、お掃除のしやすさも考えて、あえて接着せずに置いています。

 

側面からです。印の空気口は通常前後にお付けするのですが、今回は後方に彫刻をしたいというご希望があったので、前と左右にお付けしました。内部の換気がしやすい状況にして、ご遺骨を湿気などから守ります。道路側と右側のブロックは取り外したので、広々として開放感がありますね。

 

お墓の奥のブロックをコンクリートで上塗りしたところは、このようにきれいに仕上がりました! これで、お参りに来られた方がけがをするようなこともありません。角の部分は排水のためにあえて隙間を開けています。

お墓の後方には、お客様の強いご希望で、以前の法名碑に彫られていた言葉を彫りました。

 

今回のお客様は、お話をいただいてから石を発注するまでに1年くらいの長い時間をかけてじっくりと検討されたり、ご自分で図面を引いたりされるくらいとても熱心にリフォームに取り組まれていて、施工中も毎日見に来てくださいました。毎回差し入れもいただいて恐縮でしたが、「普段なかなか立ち会えない、完成する前のお墓の工事も立ち会えて、貴重な経験をさせてもらいました」とおっしゃっていただけました。打合せから施工まですべて業者任せにせず、ずっと立ち会ってすべて見届けるお姿は、とても素晴らしいと思います。また、細部まできちんとご自分で把握して進めることで、ご自分でも納得のいくお墓にすることができたのではないでしょうか。私どもの方もご期待にお応えしようと気合が入り、とてもやりがいを感じるお仕事でした。

このたびは、2年前に引き続き当店にお声かけくださり、ありがとうございました。どうぞ今後もこれまで通り、大切にお参りください。これからも末永いお付き合いのほど、よろしくお願いいたします。